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第5章 Ｆｉｒｓｔ　cｏｎｔaｃｔ

「ちょっと！何？どうなってんの！どいて！どいてちょうだいッ！」

ドアの前で呆然と立ち尽くして、ドアの向こうを見ている桜井と

ＡＳＡＨＩＮＡ社員複数名を押し分ける。

嫌な予感がゾクゾクと体中を這う。


レイの声だ！

胸元を両手で覆い隠すようにしたまま、ガバと起き上がる。

「サオリ！」

ドア前にいる人を押しのけて現れる、レイ。

早く。早くレイの傍に行きたい。

また涙がボロボロ溢れてくる。

「サオリ！あぁ、一体どうなってるの？」

と言いながら私に駆け寄ってくるレイに向かって手を伸ばそうとした時。

視界がぐにゃりと歪み、体が………ああ………

ガシッと逞しい腕が倒れゆく私の体を抱きとめる。

誰？

レイ？

「おいっ！大丈夫か？しっかりしろ！」

薄れゆく意識の中、私の目に映ったのは

乱れた前髪から水を滴らせている、男神、だった。