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TRUE COLORS  ~PURPLE~
第5章 First contact
ASAHINAのオフィスの一番奥にある仮眠室のベッドで眠るサオリ。

そのベッドの縁に座り、私は頭を抱えた。

なんていうことだろう。

“children”からの着信に対応するために、

ほんの10分ほどその場を離れた隙に。

サオリの身にこんなことが降りかかるだなんて。

組織の人間たちは、この度のサオリの件を本当に喜び、

そして期待していた。

サオリと同じ“children”の中にはこの件に色んな形で

関われる者が数人いるという。

その外の“children“が関与して動かせる大物もいるという情報も、ある。

その大物の目に留まるよう、行動始めたのに。

まだ早い、止めておけという啓示なの?

それより。

サオリを守れなかった。

その罪悪感が私を襲う。

誓ったのに。あの日、必ず守ると。

涙が溢れてくる。

コンコンコンッ遠慮がちなノックが聞こえる。

慌てて涙を拭き、立ち上がる。

朝比奈と桜井が静かに入ってくる。

静かに眠るサオリを見、こちらに視線を寄越す。

「こんなことになって、すまない。レイ。」

朝比奈と桜井が深々と頭を下げ、謝罪の言葉を述べてくる。

「………最悪な再会になったわね。朝比奈。」

泣いていたのを気取られないよう、わざと低めの声で対応する。

「もし、オファー取り消しにしないままでいてくれるなら、
 
 料金は全てこちらで持ちで全力で当たらせてもらう。
 
 もちろん、彼女の治療費もこちらが全額持たせてもらう。」

目を伏せたまま、そう言う朝比奈の言葉に自分の中で何かが切れる音がした。

「馬鹿にしないで!お金なんて、稼いでるからたっぷりあんのよ!」

朝比奈の胸ぐらを掴み、彼の顔の前でそう叫ぶ。

「私の!私の命より大事なこの子を!こんな目に遭わせておいて!

 お金だなんてそんな下らないこと、言わないでよぉッ!」

ボロボロ涙を零しながら、噛みつくように叫び。

掴んだ胸ぐらを揺さぶる。

「ジュリア、いや、レイ。」

桜井が朝比奈の胸ぐらを掴む手を制するように割って入ってくる。

「どけえッ!桜井いッ!」

「やめろ、桜井。」

激高する私とは反対の、冷静な朝比奈の声。

「非はこちらにあるんだ。」「ですが、社長!」

怒り狂う私の目を見て、そう言う朝比奈の目……。




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