この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
TRUE COLORS  ~PURPLE~
第6章 ”ナイチンゲール”
「キャンパスライフもあんのよ?通訳のお仕事だって入るんだから、当然でしょ?」

「どうだかぁ~?」

……レイたちの声が、遠くに、聞こえる。

身体かふらふらしちゃう。やだ、どうしよう。

「...........レイ」

辛うじてレイを呼べた、と思った時左頬にシーツの肌触りを感じる。

「サオリ?!」
「沙織ちゃんっ!」


ピピピピッ

計測を終えた体温計を彼女の口から引き抜く。

「38度もあるわ。平熱が低い彼女には辛いわね。」

レイを見ると、再度簡易ベッドに横たわる沙織ちゃんの手を握りしめている。

「冷たいシャワー浴びてずぶ濡れになったから、かな?」

弱々しい声でそう問うてくる。

「まず、徹夜!それに空腹状態!火傷騒ぎ!冷水!過呼吸に、貧血!」

腰に片手を当て、原因事項を指折りしながら述べてやる。

「どれが原因でもおかしくないわよねっ?」

「…………。」

うなだれるレイ。

「ね、レイ。この機会に沙織ちゃんの健康診断も兼ねて、

 沙織ちゃんを2,3日入院させましょう?」

ガバと顔を上げて私を見るレイ。

「え。だって、これから….。」

「だからよ。これから忙しくなるんでしょ?」

赤らんだ顔の沙織ちゃんの顔を見て、

再度困惑の表情でこちらを見るレイに視線を戻す。

「その間火傷痕の治療も、貧血の改善も任せて?

 お披露目の時、倒れたりでもしたら、それこそ大変じゃない?」

レイの視線が彷徨う。

「それに、沙織ちゃんのメンタルヘルスケア、今なら出来るわよ。

 キャシーが来てるから。」

レイの目が見開く。

「キャシー?来てるの?」

レイが沙織ちゃんのSPになると名乗りを挙げた後、

キャシーもレイと共に“children”に向かった。

そこで彼女は“children”の子どもたちのお世話をしていた。

彼女の祖母のアンリ・ルーカス教授の優秀な教え子でもあったキャシー。

“children”で彼女もレイと同様メンタルヘルスの道を究めるべく、

徹底的に教育・訓練されていった。

そして、今、彼女はこの“ナイチンゲール”の優秀なトップ精神心理医だ。

沙織ちゃんももうすぐハタチ。

いろいろ気持ちの変化があったりもするだろう。

レイにも何でも話せたりするんだろうけど。

でも同性の経験値とカンにはレイも敵わないと思う。

/261ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ