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TRUE COLORS  ~PURPLE~
第9章 Lily of the valley
そして、俺の目の前に座る彼女の視線も、時折、感じる。

「どれもこれもステキで!イメージぴったりで選びきれないわぁ!」

レイが降参だという様に両手を上げる。

大げさに声を上げ手を上げる様がおかしくて、笑ってしまう。

「当然だ、俺が描いた自信作だ。どれもいいに決まってる。」

言うわねぇ~と茶々を入れてくるレイに間髪入れずに一発爆弾をくれてやる。

「選ぶ必要なんかない。全部、作ればいい。」

えっ!と驚きの声をあげるレイと桜井に、もう一発爆弾を投下する。

「ウチのデザイナーたちの描いたものも、全部だ。」


“夕凪”をウチのデザイナーたちは、皆知っていた。

映画化される作品の内容も知っていて、皆口を揃え絶賛していた。

そして本人を目の当たりにもした。

あの作品を映画化。そして、スタッフとキャスト陣の顔ぶれ。

それらを知ったウチのデザイナーたちは相当モチベーションが上がり、

いつも以上に熱を込めこれらをを描いたのだと、見ればわかる。

図らずともウチのデザイナーたちの才能の底上げになったのだ。

それを形にしてやらないわけにもいくまい。

それに、これらは必ず売れる。


桜井さんとレイが、朝比奈さんが全部、と言ったお陰で

これはこんな素材で。とかレイが注文つけたり。

これはこの時に着せたいとか。

そんな打ち合わせをワーワーキャーキャーと

レイの興奮状態の声を混ぜこんでしている中、

私は……。


朝比奈さん、少し瘦せたみたいだけど。

でも、彼の自信に満ち溢れた言葉遣いに立ち居振る舞い。

凄いし、かっこいいし大人だな。

通訳のお仕事でいろんな国の官僚や社長たちと会って来たけど。

そんな方たちにも負けないくらい、堂々としていてカリスマ性を感じる。

そこに立っているだけで、人を惹きつける魅力を持っている。

あの絵本の挿絵の。

男性も女性も魅了したナルキッソスのように。

そう考えながら朝比奈さんを見ていたら。

レイたちの話を静かに聞いていた朝比奈さんが。

私の視線に気づいて、彼をじっと見ていた私に優しく微笑む。

カッと耳が熱くなる。………やだ。どうして?どうして耳が熱くなるの?


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