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TRUE COLORS  ~PURPLE~
第10章 Each night(それぞれの、夜)
久し振りに自分のマンションに帰って来た。

あんなに夢中になって、たった1週間であれだけのレベルのモノを

あんなに沢山描き切れた自分に正直驚いた。

が、それと同時に自分の老いを気付きたくはなかったが、

気付いてしまった。

本日2度目の熱いシャワーを浴びると、ドッと疲労感が身体を襲う。

バスローブを羽織り風呂上がりに呑むビールもそこそこに、

ベッドルームに向かう。

時刻は10時半。

ああ、今夜は夢を見る余裕もないくらい、深い眠りに就きそうだ。

そう思い、ベッドに体を投げ出し。

数分後、静かな寝息を立てていた。



どれくらい眠っていただろう。

ああ、これは夢の中だな。

そう思ったのは、いつだったか何かで行った覚えのある

ネモフィラ畑の中に自分が立っていたからだ。

辺り一面に蒼く可憐に咲き誇るネモフィラ畑はとても広大で。

どこまでも蒼く広がるネモフィラ畑の遥か視線の先にある

抜けるような青空との境目が分からなくなっていて。

とても幻想的で美しかった。

時折吹き渡る風に靡くネモフィラの花と、舞う、小さな花びら。

ザァッとつむじ風のような強い風が吹き、俺の髪を乱し。

土埃を舞い上げる。

その風を凌ごうとで身を守ろうと

両腕を体と頭を守るように上げ、目をつぶる。

「朝比奈さん。」

風が、急に止んだ?それに、この声。

そう思って目を開けると。

ネモフィラの花で編み上げた花冠を被り、

華奢なその身体に真っ白なひざ丈の

ノースリーブのAラインワンピースを身に纏い、

その裾を風で揺らし。

自分が彼女の首に飾り付けたすずらんのチャームのネックレスを身に着けて。

一条沙織が微笑んで目の前に立っていた。

彼女が自分の手を取り、笑い声を上げ弾むように走り出す。

時々、自分の方を振り返り。

弾けるような笑顔を見せて。

少女のような眩しい笑顔を見せて。

白いワンピースの裾が

彼女の動きに合わせてヒラヒラと揺らめく。

はしゃいで、つんのめりそうになる彼女の身体を慌てて抱き寄せる。

するりと自分の腕の中から抜け出し、

また楽しそうにスキップをしているように駆け回る。



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