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TRUE COLORS  ~PURPLE~
第10章 Each night(それぞれの、夜)

あぁ、と声が漏れる。

得も言われぬ快感が体中を巡る。

先日リカと寝た?時には微塵も感じられなかった、快感。

アイツと別れてから誰からも得ることがなかった、快感。

今、ここで再びそれを知ろうとは。

年甲斐もなく夢中になって自身の欲棒を扱いていく。

この快楽を初めて覚えたばかりの少年のように。

う!う!う!とウブな声を上げながら、

粗い熱い息を吐きながら、夢中で。

固くつぶった目の奥には、

先程夢の中で抱きしめ、かわいらしく笑いかけてくれていた彼女と。

初めて会った時の俺の腕の中で嫌だ、痛い、と泣き叫び暴れる彼女と

濡れた肌が浮かぶ。

ダメだ。……アレは、俺には、……ダメだ。

ああ、あの時感じたダメだ、は。この感情のモノだったのか。

早く。早く、この欲を彼女の中にぶちまけたい。

そう言うように欲棒がグッと固さと熱を増す。

「っあ!うあっ!あ、んあっ!..ああっ!…クッ……あ。………アアアァァァ~!」

自分でも聞いたことのない、

自分の口から零れ出るウブな少年が出すような喘ぎ声。

背中と腰がビクビクと跳ね上がり。

バスルームの壁にビュルビュルびちゃびちゃと音を立てながら。

大量の白濁を吐き出している。

壁についていた手の甲に自身の頭を押し当て、

片手でまだゆるゆると己の欲棒を扱き。

未だちょろ、ちょろと出る白濁を絞り出しながら身震いする。

その間ずっと熱いシャワーを頭から浴びているままだ。

シャワーに流されていく自身から吐き出された白濁を。

うつろな目でしばらく眺めながら、粗く上がった息を整えていく。

………どうか。どうかこの現実が。

夢であってくれと願い、気付いてしまった感情に蓋をするか。

それとも。彼女を恋い求め、

今まで自分が培ってきたノウハウで彼女を手に入れ、

この現実と同じように彼女に実現することを夢みるか。

……………親子ほども年齢の差がある。

後者を選べはしない。

そう思った時。

シャワーの熱とはまた違う熱が、

頬を伝っていくのが分かった。

……今夜だけ。

今夜だけ、彼女を想い、泣いて眠ることを、俺に許してやろう。

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