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TRUE COLORS  ~PURPLE~
第11章 “cherry blossom”
そんな観客をよそにサオリは楽しそうに歌い上げ。

間奏中は客に手拍子を求め、swingのリズムに乗り、踊る

目を見開き口をあんぐりと開けるマチ子ママを見てザマミロとほくそ笑む。

サオリを試すような真似をするなんざ100年早ぇんだよ!

打ち合わせもなしに初めて合わせるビッグバンドと

ここまでやるのは流石よねぇ。

用意されてたビッグバンドのレベルが良かったのも功を奏してか、

お客たちはますますステージ魅了されて。

1曲目が終わる。ステージの照明も落ち、店内もまた真っ暗になる。

お客たちは拍手をするのも忘れ。

再び青い照明がステージを照らしスネアドラムの音が静かにリズムを刻む。

『Over The Rainbow』いいわねぇ。

あら、ちょっと艶を含んだ歌いまわし。フン。

あら、マチ子ママお目目からよだれが出てるわよ。

しっとりと豊かに歌い上げるその声に、

涙を流して聴き入ってるお客様多いわねぇ。

後で大量のおしぼりが必要になるわね。ふふん。

出番のない楽団員も涙、大丈夫? 笑。

まだ2曲目よ?

またステージが暗転する。

やっぱ、最後はあれ?

まばゆい光がステージを包みテンポの速いゴージャスな響きの

『Lover ,Come Back To Me』

これは否が応でも盛り上がるわねぇ!



3曲全てを見事に歌い上げ、

顔を高揚させ息を切らしたサオリが楽しかったぁ!と席に戻って来る。

我に返った客席からはまだ歓声と拍手が止まらないままだ。ほらご覧。

サオリの声が近くで聞こえたことによって、ハッと我に返るマチ子ママ

何か恐ろしものでも見るような目で、

すっかり炭酸が抜けぬるくなったペリエで喉を潤すサオリを凝視している。

もう、今夜はここで話なんてできる状況じゃあないわね。

まだまだ聴衆からの賛辞の歓声と拍手は鳴りやまないもの。

ペリエを飲み終えにっこりこちらに向かって微笑むサオリを伴い、

マチ子ママに形ばかりの帰りの挨拶の言葉をかけ、店を後にする。




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