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離島性体験 〜M男君〜
第2章 1986年に5月に起きた悲劇
(痛い。少し痛い。だけど大丈夫。私ならできる。好きになった人と私は初めてを迎えるの)

「たッ卓郎?大丈夫?」

「んッんッアキッアキッ」

そう言って頷いてる。

「少し入った。卓郎、両手とも繋いでほしい。」

「アキッ大丈夫、僕は大丈夫だよ。アキは大丈夫なの?」

そう言って二人は手を探す。手が繋がると少し安心した。

「卓郎、私、実は初めてなの。卓郎と一緒だよ。初めてする。だからうまくないかも。少し痛い。痛いよ。卓郎」

そう言って卓郎の指の間を強く強く握った。指と指の隙間をなくした。

「アキッ痛いなら止めようッ」

その声に明代は強く首を降った。

「嫌だ!!卓郎。お願い。アキッ呼んでて。好き?」

「アキッ好きッ」

その声に明代はキュンとした。卓郎の余裕のないトーンとアキッって呼んでくれることに愛を感じていた。

(私は止まらない)

(痛くない、痛くない、痛くない)

心の中で唱える。

(大丈夫。痛くないよ)

そうやって卓郎の棒を感じながら沈んでいく。

(痛いッ)

その神経が届くと歯が締まる。明代は卓郎の指を潰して腰が浮く。

(ダメッまだ入ってない)

卓郎ッって呼んで明代は自らその神経を蹴飛ばす。

(進む、進んでいく、止めない、止めないよ)




「あッ卓郎ッ動かないでよッォ」


明代は唇を噛む。指が潰れる。脇が締まる。体中の筋肉が小さく締まって神経が集中していく。まぶたが唇が奥歯が締まって硬直して指が密着して熱をあげる。

(熱い。熱いよ)

明代の神経が集中するほど熱くなる。

(お願い。私をわがままにして。お願いッ。)


その時、明代は卓郎の肌が付くのを感じた。



(もう少しッ)



明代は卓郎の体を通して重力を感じた。強ばる筋肉を緩ませて。溜まってた涙と一緒に体が卓郎に落ちていった。



(届いたよ。卓郎ッ)



明代は暗い視界から目を開けると卓郎のしわくちゃになった顔をみた。

「卓郎ッ入った。入ったよ。」

(暖かね。中にある卓郎は暖かい)

二人の腕が伸びきって繋がってる皮膚と肉が初めて絡まる。

(疲れたよ。疲れたよ)

その時、明代は卓郎の胸で心臓の音を聞いていた。
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