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Kiss Again and Again
第1章 高校生活
卒業式が終わり 進路の決まっている生徒は まだ沢山校内に残っていた。
「仲村さん」
友達の輪から 少し離れるのを待っていたかのように岩田くんが 声をかけてきた。
「写真 一緒に 撮ってもらえませんか?」
真っ赤な顔をして。 すごい勇気を出して 言ってくれたんだろうな。
「よろこんでっ」
岩田くんは なんか わたしと距離をとって スマホで自撮りした。覗き込むと 岩田くんの頭が写っていなかった。
「岩田くんが膝を曲げて もういっかい 撮りましょうか?」
真っ赤な顔をして 岩田くんが笑った。
よかった。笑ってくれて。 ひどいことをしてしまったんだから 最後くらいは 笑って欲しい。
「いわたぁ おれが 撮ってやるよ」
安部周人くんが 岩田くんから スマホを取り上げて言った。
ボタンが ひとつもない。 袖のボタンまでなくなっている。
「もっと くっつかないと 小さくなるぞ」 笑って言う。
また くきり、と 何かが折れる。
「はやく 撮れよっ」 と岩田くんがいうから 半歩 わたしの方から近づいた。
連写する音が聞こえた。
「おれに 感謝しろよ」
スマホを 岩田くんに返しながら言う。
「安部先輩 ボタン くださぁい」 という女の子たちの方へ 「もう いっこもないよぉ」と言いながら 安部周人くんは 去ってしまった。
「仲村さん ありがとう」
「いえ。 こちらこそありがとうございます」
岩田くんに 右手を差し出して 「受験 がんばってくださいね」
岩田くんも右手を出して 握手した。 大きな手。
今、じゃあなくて いいから いつか わたしのこと 許してください。
傷つけてしまっていたら 許してください。
「仲村さん」
友達の輪から 少し離れるのを待っていたかのように岩田くんが 声をかけてきた。
「写真 一緒に 撮ってもらえませんか?」
真っ赤な顔をして。 すごい勇気を出して 言ってくれたんだろうな。
「よろこんでっ」
岩田くんは なんか わたしと距離をとって スマホで自撮りした。覗き込むと 岩田くんの頭が写っていなかった。
「岩田くんが膝を曲げて もういっかい 撮りましょうか?」
真っ赤な顔をして 岩田くんが笑った。
よかった。笑ってくれて。 ひどいことをしてしまったんだから 最後くらいは 笑って欲しい。
「いわたぁ おれが 撮ってやるよ」
安部周人くんが 岩田くんから スマホを取り上げて言った。
ボタンが ひとつもない。 袖のボタンまでなくなっている。
「もっと くっつかないと 小さくなるぞ」 笑って言う。
また くきり、と 何かが折れる。
「はやく 撮れよっ」 と岩田くんがいうから 半歩 わたしの方から近づいた。
連写する音が聞こえた。
「おれに 感謝しろよ」
スマホを 岩田くんに返しながら言う。
「安部先輩 ボタン くださぁい」 という女の子たちの方へ 「もう いっこもないよぉ」と言いながら 安部周人くんは 去ってしまった。
「仲村さん ありがとう」
「いえ。 こちらこそありがとうございます」
岩田くんに 右手を差し出して 「受験 がんばってくださいね」
岩田くんも右手を出して 握手した。 大きな手。
今、じゃあなくて いいから いつか わたしのこと 許してください。
傷つけてしまっていたら 許してください。