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Kiss Again and Again
第8章 それから

 名古屋から帰ると 海から連絡がきた。 「あゆはいつ こっちに帰るの?」
 それは 帰っておいで、ということよね。
 でも 夏休みは実家で過ごすつもりだったから 急に帰ると言うと 多分、家族が寂しがる。
 「そろそろ 向こうに帰ろうかな」 と言うと 弟の勇人は
 「えっーーー あーちゃんに英語の宿題 手伝ってもらうつもりだったのに」
 おかあさんは 寂しそうに
 「もっと ゆっくりするのかと思ってた。 なんか 用事ができた?」
 おかあさんには 隠し事はしないから
 「彼がね いつ帰ってくるの?って。 でも もっとゆっくりするつもりだったから そんなに急いで帰らなくても いいんだけど」
 「うーーーん 愛美は 帰りたいのでしょう?」
 「そーゆーわけでも・・・ ないのだけど」
 会いたい気持ちははちきれそうにあるのだけど 家族と較べていると おかあさんには思われたくない。
 「恋する乙女の気持ちくらい おかあさんにだってわかるわよ」
 「それで? いつ向こうに帰るの?」

 ごめんなさい。
 「勇人の宿題 手伝ってから」
 「あーちゃん さんきゅっ」

 お父さんは ずっと聞こえないふりをしていた。

 海から催促めいたラインは来たけれど その後 三日間は実家で過ごした。
 海の写真を見せた時には 「随分なイケメンだこと」と笑っていたのに 東京に戻るわたしに 「今度 紹介してね」とおかあさん。 なんだか心配そう。


 帰る日を連絡すると「東京駅まで 迎えに行こうか?」
 驚いてしまった。 何にせき立てられているの? 「行き違いになったら大変だから」と返事を送ると
 「じゃあ 僕のうちにおいで」
 これにも驚いた。 海のマンションには 一度行ったきりだったから 方向音痴のわたしには一人で行くことはできない。

 「駅まで迎えにいくよ」
 でも 結構な荷物なんだけど。 なんだか楽しみに待っていてくれる、っぽい海に そんなことまで言うことはできなくて そのまま中目黒まで行った。

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