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Kiss Again and Again
第10章 裏切り
1年以上も。。。
その人と会った後で わたしに笑いかけていたの?
その人に触れた指で わたしを抱いていたの?
その人を歓ばせた唇で わたしにキスしていたの?
わたしを抱いた後で その人に 逢いに行っていたの?
どうして?
どうして そんなことができるの?
その声が また新しい傷口をつくる。
「あゆ」 って
「すきだよ」 って
そんなこと言いながら 他の人と 過ごしていたの?
血が噴出す。
その人と逢ったあとで ともにひとつのベッドで眠ったの?
あゆのため?
どうして それが わたしのためなの?
足元に 穴が空いて すとん、と 落ちて どんどん暗闇の中 落ちて 落ちて 落ちて・・・・ どこにも 行き着けない・・・
それなのに 閉じ込められる。
決して 出口は見つからない 手応えのない 柔らかいものの中に 永遠にも思える時を 閉じ込められる・・・
「その子 家が 結構大きな病院でね。 今 お医者さんって あふれているから どこの病院でも うちみたいな私大の医学部からわざわざ採らなくても もっといい国立の医学部から いくらでも来てくれるらしい。 それで 就職を餌に 男の医学生を言いなりにさせることなんか 平気でやるから。 そんな子から あゆを守るって 他にどうすればいいのか 思いつかなかったんだよ」
与え続ければ
何かが起こるかもしれないなんて・・・
そんな馬鹿なことを期待して 見てみぬふり・・・ 知らないふり・・・
あなたが悪いんじゃあない?
わたしが 愚かだっただけ?
心が 砕けた。 かけらを拾い集めても 元通りにすることはできない。
この苦しみが終わらないことは 知っている。
でも 終わらせる努力は しなくては・・・