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第12章 旅愁

　「た、たつき・・・さん・・・　えっ？」

　「なに・・・？」

　以前　ほのかちゃんと純子ちゃんが　言ってた。　長い、とか　太い、とか。
　なんか　未熟者ではありますが　なんか　なんか・・・　大きい・・・
　久しぶりだから　感違いしているのかしら？
　えっ・・・　こんなものだった？


　「樹さん・・・　ごめんなさい・・・　なんか・・・」

　樹さんの身体の下から這い出そうとすると　抱きとめられた。
　「どうしたの・・・？」

　　「あ・・・　なんだか・・・」
　こわい・・・　ような・・・

　抱きしめる腕が　だんだん力強くなってゆく。
　「やめられないよ・・・　あゆちゃん・・・」

　いえない・・・・・
　こわい・・・とか・・・　こどもっぽすぎて・・・

　暗がりでも　樹さんが困ったような顔をしているのが　察せられる。
　欲情の波は　すっかり引いてしまっていた。


　唇がゆっくり塞がれた。　舌が入ってくる。　
　「あゆちゃん・・・　キスが上手」
　ふっと　笑ってしまった。

　「何度でも　やり直す。　すきだから・・・」
　唇の上で　囁かれる。
　熱い唇が　耳に移動する。　「すきだよ」　

　しばらく甘く噛んだり舐めたりしてから　首筋に移動する。　
　首から　乳房へ。　「かわいい」

　硬くなった先を　軽く噛んだまま　舌ではじく。　何度も　何度も。

　また　快感の波が　押し寄せてきた。
　大きく息を吸い込み　声とともに吐き出した。