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第12章 旅愁

　「愛のないセックスは　いや」
　「愛のあるセックス、って　どんななの？」

　そんなこと・・・　わたしは知らないかも・・・

　唯一無二と思っていた男には　ちゃんと本命がいて　それを知りながら　抱かれていた。　それなのに「愛のあるセックス」なんて。

　「ためしてみよう」

　いいえ・・・　試さなくても知ってる。
　愛がなくても　セックスはできるし　感じることも　できる。

　わたしは　愚かな身体をもっている。


　樹さんは　わたしの腕にキスしながら自分の首に巻きつかせた。

　「細くて　しなやかで　ふわふわ・・・」

　両脚の間に　樹さんの脚が割り入ってくる。
　背中をマッサージするように撫でられる。　とっても気持ちが良くて　またうとうと・・・してしまう。　お尻を揉まれるように撫でられるのも　気持ちがいい。
　唇を熱い舌が　舐める。　中に入ってきて　裏側も舐めてゆく。　ゆっくり舌をからめとり　こすりあわせる。
　目を開けると　暗がりでも樹さんが見つめているのがわかる。　なんだか　瞳が金色を帯びている。

　「セックス　するの？」
　「うん。　する」

　本当に「もんだり　こねたり」が上手で　どこを触られても　身体が溶ける。
　長い指が　そこに触れたときには　すっかり潤っていた。

　「あぁぁ・・・　かわいい・・・」

　　形を確かめるように　ゆっくり　指がなぞる。　乳房の尖りを口に含みながら　下の突起をつままれて　背中が反り返る。　何度も繰り返される愛撫に　声がでてしまう。

　腿にあたる樹さんの熱いものへと手を伸ばし・・・　ふれて・・・

　「えっ・・・」