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Kiss Again and Again
第14章 新しい扉
樹さんとの温泉旅行から帰ってきて3日後 ほのかちゃんにお土産を渡し
「ほの・・・ ちょっと 聞いて欲しい」
「なに? めくるめく体験のお披露目?」
そのご期待にはお応えできないかも。
「じゅんには 内緒のこと」
ほのかちゃんは 少し垂れ目の大きな目を 更に大きくして
「あややぁ? 深刻そうね」
旅行から戻ると 急に冷静になり あの三日間を 何度も繰り返し考えていた。 考えるのをやめることができず 不安が募っていた。
大学から近いけど 少し奥まったところにあるため 学生がそれほど多くないカフェに落ち着き カフェオレを頼んだ後
「ほのは 好きかどうかわからない人と エッチしたことある?」
ほのかちゃんは ぐぅっと頭を後ろに引き 目を丸くした。
いきなり・・・すぎ?
「あゆぅ・・・ 直球すぎっ」
「ちょっと待って。 そっちの席に行くから」
ほのかちゃんは わたしの隣の席に座りなおした。 並んで座った方が 小さな声で話せるからだ。
「わかった。 したのね。 そこまで好きじゃあなかったのに したのね。 それで後悔しているの?」
「わからない・・・ なんか・・・ わからない・・・」
「いい? 泣くんじゃあないよ。 ちゃんと考えるのよ。 あゆ、 一緒に旅行に行くのだから 二泊三日でしょう? するでしょう? ふつー。 するつもりで行くでしょう? ふたりとも」
「・・・・・」
「ちがうんかいっ!?」
「いや・・・ ちがわない・・・とは思うけど・・・」
「だって 一緒に旅行に行くくらい 好きなんでしょう?」
「ねぇ・・・ 一緒に旅行するくらい好き、って エッチするくらい好きっていうこと?」
「うぅぅぅっ。 だまれ。 このばかものが。 そんなところで線を引くんじゃないっ!」
「ほのぉ・・・」
「私は 全知全能の神じゃあないんだから 全部には答えられない!」