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Kiss Again and Again
第14章 新しい扉
ほのかちゃんは 言葉はきついけど 目は心配そうに潤んでいる。
「まず 一つ目の質問の答えは ないっ。 こんな可愛い女の子が 好きでもない男とエッチする必要は今までなかったし 第一 大好きな人としかエッチしたいと思わないから しない」
「そっかぁ・・・ そうだよね・・・」
「あゆが言っているのは してみたら エッチするほど好きじゃあなかった、というのとは違うんでしょう?」
「うん。 その反対 か な・・・」
「えっ えっ えっ・・・ 待って。 どーゆー意味? エッチするほど好きじゃあなかったのに してみたら・・・ どーだったのよ? 好きだったの?」
「わかんないから ほのに聞いてる」
「そんなの わっかるわけないでしょうが!」
ほのかちゃんは 大きなため息をついた。
「いい? あんな 車の往来のある道路を横切って あゆを連れ去ってゆくような男と一緒に旅行に行くんだよ。 もう 行っちゃったんだけど。 覚悟はできていたでしょう? それがどういうお誘いなのか わかっていたでしょう?」
「うん。 多分」
「じゅんのお兄さんが あゆが旅行に一緒に行ってくれるのを どんな意味で受け取ったか わかるでしょう?」
「ほの・・・ それが わからない・・・」
「え? そこっ? 何がわからないって?」
「樹さんが わたしが一緒に旅行に行くことをOKしたのを どんな風に考えているのかがわからない・・・」
「普通に 自分の気持ちに応えてくれた、と 思っているんじゃあないの?」
「普通じゃあ ないかも」
「あゆの気持ちを 信じていない、っていうこと?」
「ううん。 あゆの気持ちは いらない、ってこと」
「・・・え・・・」
「最後の日にね ”僕の気持ちには応えなくていい”って言われた。 樹さんもじゅんも 愛されることはそれほど重要じゃあないんだって」
「じゅんとは できない話のわけだ」
「じゅんには まだ樹さんがいて 愛情を注いでいたからそれほどではないけれど ”僕は 愛されることに馴れていないから”愛さなくてもいい・・・って」
こんなところで泣くまいと 唇を噛んだ。