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Kiss Again and Again
第16章 最後の扉
「おいで」
その言葉には いつだって逆らえない。
またゆっくり歩いて 樹さんの前に立つ。
「華麗で エロティックで むちゃくちゃ興奮する。 僕のゴールデンセパレート」
「これで 赤いガーターベルトとストッキング、 赤いハイヒールがあれば 完璧だね」
「完璧な あなた専属の娼婦?」
「あゆちゃんが 時々 思いがけないこというのには 本当に驚かされる」
「じゃあ 僕専属の娼婦を 味わうとしよう」
両手を引かれて そのままベッドに倒れこむ。
わたしは ヘッドボードに手を伸ばし 照明を暗くした。
「あーーーっ そんなことしちゃあだめっ」
樹さんが また明るくした。
「だめっ。 暗くして」
部屋に入った時に 照明のセットボタンは ちゃんとチェックしておいたのだ。
「さっきまで いいこだったのに」
「今は 悪い娼婦だから」
「専属の娼婦なら 言いなりになるんじゃあないの?」
「わがままな娼婦なの」
さっきまでの張り詰めていたような雰囲気が どたばた劇のようになってしまった。
キスで封じ込めると 樹さんは 照明をマックスにした。
「あのね・・・ 眩しくて・・・」
「そうだね。 やりすぎだから 目を瞑ってて」
「た・つ・きさん・・・ 暗くして・・・」
耳元で 息を吐きながら 低い声でささやいてみた。
「娼婦のあゆちゃんって めちゃくちゃ いろっぽい」
樹さんは 夜景が損なわれない程度まで 照明をおとした。
「これ以上は あゆちゃんが見えないから 拒否します」
「いつもと違う手触りで なぁんか ぞくぞくする」
「手袋 脱ぎましょうか?」
「そのぞくぞくが たまらない・・・」
リクエストにお応えして そのまま背中を撫で続ける。