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Kiss Again and Again
第17章 別れのとき
「日曜日なら 大丈夫?」
突然 夜中に架かってきた電話。 元気いっぱいの樹さん。 わたしは大丈夫でも 樹さんは日曜日は無理でしょう?
「今度の日曜日 お休みなんだ。 デートしよう。
いっぱい話して いっぱい食べて いっぱい愛し合おうっ」
ほんとうに?
そんな時間があるの?
「何時に迎えにいけばいい?」
三ヶ月ぶりに逢った樹さんは 少し痩せていた。
旅行に一緒に行って以来 こんなに長く逢わなかったのは 初めてだった。
「社会人一年生は どう?」
「なんだか毎日が あっという間で 皆さんのお名前と部署が やっと一致するようになりました」
「仕事もだけど 人間関係はどう?」
「はい。 皆さんに親切にしていただいて お仕事やりやすいです」
「言い寄る男は いない?」
樹さんが ちょっぴりヤキモチヤキなのは 気がついていた。
「いないです」
「樹さんは その後 いかがですか?」
「うーーーん。 変わり映えしない」
パートナーの星川さんが 何度かお泊りされたことは 純子ちゃんから聞いていた。
わたしがいない時間を 親密に有効に過ごしている女の人がいる、ということは 考えると いつも息苦しくなった。
「どこか 行きたい所がある?」
「いいえ。 どこでへもご一緒します」
樹さんは 優しく笑いながら
「房総まで 行ってみようか? 日曜日だから 混んでいるかなぁ」
「そんなに遠くまで 大丈夫ですか? 疲れるんじゃあ・・・」
「やっと逢えたのに。 元気いっぱいだから」