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Kiss Again and Again
第17章 別れのとき
高速を降りると道は混みはじめたけど お昼前には 海岸までたどり着けた。
せっかくだから 魚料理を、ということで 大きな看板を掲げたドライブインのようなところに入った。 家族連れで混みあっている中 生け簀を見つけた樹さんは 店員さんに
「あそこの魚を料理してもらえるのですか?」
「ランチタイムは承っておりません。 夜だけなんですよ」
「残念だなぁ」
樹さんは 本当に残念そうだった。
開けた海岸で 白いビニール袋を持った何人かの人たちが うずくまって何かをしていた。
「シーガラスを拾っているんだよ。 きれいだよ。 行ってみる?」
わたしたちは 潮騒に背中を押され ゆったりと砂浜を歩きながら シーガラスを拾った。 とてもきれいなものもあり 自分達の戦利品を 互いに見せ合い 笑い合った。
海岸沿いの木造のカフェで 夕暮れを待ち 暮れ始めると 再び砂浜に降りて 腕を取り合って歩きながら 夕焼けを眺めた。
逢わなかった三ヶ月を埋めるのに 充分すぎるほど幸せだった。
でも・・・ わたしは知っている。
こういう幸せな時間の後には きっと悲しいことが待っている。