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Kiss Again and Again
第17章 別れのとき
「あゆ・・・」
肩におかれた手の主が 海だとわかるのに 時間がかかった。
「大丈夫?」
何が起こっているのかわからないまま 首を振った。
「大丈夫・・・なんかじゃあ・・・ない・・・」
涙は 不思議なくらいいつまでも零れ落ち続けた。
涙腺というのは どこに繋がっているのだろう。
どこに こんなに沢山の涙が溜め込まれているのだろう。
海は 静かに隣に座り 静かにわたしの頭を自分の肩にのせた。
「そばにいるから 気がすむまで 泣けばいいよ」
泣いた。 飛行機がフランスに着くまで 泣き続けるつもりだった。
気は いつまでたっても すまないだろうけど。
「どうして こんなところに いるのですか?」
「ん? 僕も 仕事上の見送り」
「あゆが 派手なラブシーンやってのけるのを見たから どんな顔して降りてくるのか見届けようと思って 下で待ってたんだけど。 いつまでも降りてこないから」
そっかぁ・・・ 派手なラブシーンだったんだ。
待ってた?
そう・・・ この人って 待つことに 不思議なくらい持久力があるのよね。
そして 話し始める前に 「ん」と言うのよね。
「ちょっと 心配になって
恋人?」
「・・・だった・・・」
また 涙がでた。