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Kiss Again and Again
第4章 デート
それなのに火曜日はやってくる。
着て行く服を選ぶだけで すっかり疲れ果ててしまった。
待ち合わせが学生課の前のロビーとか。 結構人通りがある。
わたしの方が 早く着いた。 来ないで欲しい、と 未だに思っている。
エレベーターから出てくる人の中に 立花先輩がいた。 なんだかオーラみたいなものがあって すぐに見つけることができる。 先輩もわたしを見つけて 片手を挙げた。
それだけで わたし・・・ 注目されている・・・
困った・・・
「お待たせ」
もったいないくらいの笑顔。
いえ・・・ 待っておりません。
「今日も可愛いね。 僕のためにおしゃれしてくれた?」
立花先輩にしてみれば 何でもないセリフなのかもしれないけど。
この女馴れしたかんじ どう反応すればいいのか。
迷いに迷った挙句 白いブラウスに 襟元にビジューをあしらった淡い黄色のカーディガン、普通の小花柄のギャザースカート、という格好だった。 もっと おしゃれするべきだったのかしら?
「みっともなくない程度ではありますが」
満面の笑みがふりそそがれる。 どきどき、とかする。
デートなんて 高梨さんとしか したことがない。 あれがデートと呼べるかどうかもあやしいけど。 とにかく 男の人と ふたりっきり、という経験はほとんどない。
緊張して 何を話せばいいのか わからない。