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Kiss Again and Again
第19章 恋愛事情
膝を抱えて ベッドに座っていたら かちり、と音がして 両手に何かを持った海が入ってきた。
「起きたんだ。 ルームサービスだよ。 ん? どーした?」
「起きたら ひとりぼっちだった」
「ちょっと食料を調達しに行ってただけだよ。 あゆは寝ちゃうし」
「おいていかれたのかと思って・・・」
「そんなことするわけないよ。 ガソリンだってないのに」
「そうだけど・・・ ひとりぼっちだったから・・・」
「よほどお腹が空いているんじゃあない? ほら ナポリタンとチャーハンだよ。 お願いして 作ってもらった。 おまけで なんかもらったよ」
「ふーーーん なぁに? 茶色いけど 佃煮?」
「きゃらぶきだって。 こっちは鮎の甘露煮」
ふたりで笑った。
海は 備え付けの小さな冷蔵庫から 缶ビールを取り出し飲み始めた。
「ここのオーナーは 本業は農業で ここはサイドビジネスらしいよ。 ご飯をわけてもらった」
「お友達になったの? とろけるような笑顔と投げキッスで」
「笑顔は 沢山ふりまいてきたよ。 その成果がこれなんだから 僕も捨てたものじゃあないでしょう?」
「お相手は おいくつくらいの女性?」
「60歳にはなってないと思う」
「海のストライクゾーンは 広いのねぇ」