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Kiss Again and Again
第5章 はじまりのはじまり
先輩は
「じゃあ 次の火曜日に。 学生課のところで」
と何もなかったかのようににこやかに言った。
靴を履き終わると スローモーションの動画を見ているように 振り向いた。
腕を掴まれた。
キスされた。
あっという間のできごとだった。
「これで 仲村さんではなく あゆ、って呼べるね」
こういうことに馴れている人だ。
ドアが閉まっても 動けなかった。
頭の中では
「危険です。 危険です。 ご注意ください」のアラームが鳴り響いている。
高梨さんとのファーストキスは さよならのキスだった。
これは?
はじまりのキス?
唇には 優しい感触が残っていた。