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Kiss Again and Again
第5章 はじまりのはじまり
火曜日がやってくる。
学生課の前には 季節にふさわしい爽やかなブルーのシャツを着て きらびやかに 立花先輩が立っている。
この人が ここまで外見が素晴らしくなければ もう少し心を許せるのかもしれない。 こんなイケメン男を信じるのは 容易ではない。 この前 送ってもらったことで わたしの中のバリケードは 一層堅固なものになっている。
だから 断る言い訳は考えておいた。
明日の授業に備えて レポートを書き上げなくてはいけない、そう言うつもりだった。
立花先輩は わたしを見つけると にっこり笑って 何かのチケットを取り出した。
「シャガール展 行く?」
「・・・ 行きます・・・」
なんでシャガールが好きとか 知っているのだろう?
用意していた防波堤は 美味しい撒き餌の前に あっけなく崩壊した。
この男は てごわい・・・
そして 立花先輩と過ごす時間は 楽しい。 肌触りのいいバスローブに包まれているような心満たされる楽しさだ。 次第に どうして気を張って その楽しさに抵抗しようとするのか、自分のことが馬鹿に思えてくる。
流されてしまえばいいのに。
フーテンの寅さんを愛してやまない人なのに シャガール展では わたしに合わせて ゆっくり観てまわってくれた。
学生課の前には 季節にふさわしい爽やかなブルーのシャツを着て きらびやかに 立花先輩が立っている。
この人が ここまで外見が素晴らしくなければ もう少し心を許せるのかもしれない。 こんなイケメン男を信じるのは 容易ではない。 この前 送ってもらったことで わたしの中のバリケードは 一層堅固なものになっている。
だから 断る言い訳は考えておいた。
明日の授業に備えて レポートを書き上げなくてはいけない、そう言うつもりだった。
立花先輩は わたしを見つけると にっこり笑って 何かのチケットを取り出した。
「シャガール展 行く?」
「・・・ 行きます・・・」
なんでシャガールが好きとか 知っているのだろう?
用意していた防波堤は 美味しい撒き餌の前に あっけなく崩壊した。
この男は てごわい・・・
そして 立花先輩と過ごす時間は 楽しい。 肌触りのいいバスローブに包まれているような心満たされる楽しさだ。 次第に どうして気を張って その楽しさに抵抗しようとするのか、自分のことが馬鹿に思えてくる。
流されてしまえばいいのに。
フーテンの寅さんを愛してやまない人なのに シャガール展では わたしに合わせて ゆっくり観てまわってくれた。