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シャイニーストッキング
第21章 もつれるストッキング5   美冴
 123 ズルさ…

「もお、ホント、情けないやら、優柔不断やらぁ…
 そうねぇ…
 いいのか、悪いのかねぇ、ふぅぅ…」
 やはり美冴は呆れているみたいだ。

 ただ、唯一の救いは、この美冴の呆れからは怒り、侮蔑等は感じられず…
 いや、逆に、微かな愛情が感じられることであった。

「でもねぇ…
 悔しいかな、そんなところがさぁ、憎めないっていうかさぁ…
 なんかさぁ… 
 心がさぁ、ひ、魅か……あ……………」
 美冴はそこまで言って、言い澱む。

 だが、オレには間違いなく…
『そんなところに魅かれる…』
 と、心に響き、感じられたのだ。

 つまり、それは…
『美冴に嫌われてはいない… 』
 ということ。

 とりあえず、一瞬、それを思い浮かべ心が緩んだ…
 だが、美冴はそんなオレの一瞬の緩みの表情を見逃さず、すかさずツッコミを入れてくる。

「ねぇ、本当に分かってるの?」
 
 この美冴にしろ、ゆかりにしろ、いや、律子までもだ…
 オレの愛する、そして、オレを愛してくれる彼女達の皆が、本当に鋭い。

「ね、分かってるの?」
 もう完全に、この美冴には見抜かれてしまっている。

「え?」
 また、再び、美冴はオレをキッと見つめ、いや、睨んできた。

 そしていよいよ、本音を…
 それは美冴だけではなく、オレ自身も、本当は分かっている言葉と思いを、いや、それは代弁でも…
 そう激白してくる。

「わたしを好き、愛してる…
 全部失くしてもかまわない…
 それは、もちろん嬉しいわよ…」

「あ…う、うん……」
 だから、美冴が何を言いたいのか、言わんとしているのか…
 分かるが故に、返す言葉がない。

「でもね、それをね、アナタはね…
 あ、ううん、大原常務さんはね、本当に分かって言ってるの?」
 そう言ってくる美冴の目には…
『もちろん分かってるのよね』
 そんな想いの色がみえてくる。

 そう、それは、分かってはいるのだが…
 言わずにはいられなかった…
 お互いの心の奥深くにしまっていた筈の言葉であり…
 禁断の言葉であるということも理解はしているのだ。

 だが、今夜…
 お互いに淫れ狂い、ぐちゃぐちゃに壊れ、歯止が効かず、つい叫んでしまった心の慟哭の言葉。

「ふ………あ、分かってはいるのよねぇ…」

 そして美冴は、皮肉な笑みを浮かべてくる…




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