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胡蝶の夢
第3章  深淵 




「あぁ?…今、なんと言った…?」



空気が変わる。


悦に入っていた気配が変わる。



「イヤだと言ったか?」



睨めつけるように見上げた。


どうなる事もない。


聞き入れられる事などない。


知っている。


それでも…叶わない事を知っていながらも主張せずにいられない駄々っ子の様に。



「お前にはもう自分の意見を言葉にする資格さえないっ!!」



大きな掌が顎を掬いとる様にしてのどを押圧し、そのまま僕は背中から床に押し倒された。



「かはっ…」



叶わない。


敵わない。


キリキリと首に圧が掛かる。



「ふざけるな」



どんなに拒絶しても、これから起こる事に変化などないのに。


悪夢は毎日を繰り返す。




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