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性交旅行
第2章 第二話
ただ……。ただ、強いていえば、お忍びや不倫デートっぽいセレクトだなと思ってしまう。その通りではあるんだけど。
ガチャッ。
扉の開く音に振り向けば、彼が微笑んで立っていた。
「お待たせ」
その優しい微笑みに私もつられて頬を緩める。
突然かかってきた現実からの電話に、私の先程までの狂おしい程の興奮は少しなりを潜めてしまった。
「せっかくだし、露天風呂にでも入ろうか」
彼も同じ気持ちなのか、さっきの続きには走らずに、タオルや浴衣をいい位置に用意してくれている。
服を脱いで引き戸を開けると、二人で入るには大きなお風呂が目に入った。
全体的に木で作られていて、一段上がったところに埋め込まれている浴槽は、とても温かみがある露天風呂になっていた。
私は桶に湯船からお湯をくみ、身体にかけた。軽く身体を流して湯船につかると、これまでの疲れがゆるゆると流れ出ていくようだった。
彼も私に続いて湯船につかると、お湯がザーッと流れていく。ふーと長く息を吐く彼に、私はそっと寄り添った。
腰に腕を回してきた彼は、しばらく空を見上げていた。
彼は今何を考えているんだろう。
私たちには身体の繋がりしかない。互いの穴や寂しさを埋めあうだけの関係になってきていた。
互いを大事にはしている。しかし、身体の関係を持ってからはプライベートなことはほとんど話してはいない。そういう事をしている時やした後特有の甘い言葉も囁きあったりしなかった。自分の感情を吐露することも減り、時間があまり取れない分、会えばセックスばかりをするようになった。
そんな私たちはこれからどこに向かうのだろうか。
いつもならこんなことを考える余裕もなく、キスを交わし、交わっていたから、これからのことを考えて不安になってしまった。
「お願い、キス、して……」
ガチャッ。
扉の開く音に振り向けば、彼が微笑んで立っていた。
「お待たせ」
その優しい微笑みに私もつられて頬を緩める。
突然かかってきた現実からの電話に、私の先程までの狂おしい程の興奮は少しなりを潜めてしまった。
「せっかくだし、露天風呂にでも入ろうか」
彼も同じ気持ちなのか、さっきの続きには走らずに、タオルや浴衣をいい位置に用意してくれている。
服を脱いで引き戸を開けると、二人で入るには大きなお風呂が目に入った。
全体的に木で作られていて、一段上がったところに埋め込まれている浴槽は、とても温かみがある露天風呂になっていた。
私は桶に湯船からお湯をくみ、身体にかけた。軽く身体を流して湯船につかると、これまでの疲れがゆるゆると流れ出ていくようだった。
彼も私に続いて湯船につかると、お湯がザーッと流れていく。ふーと長く息を吐く彼に、私はそっと寄り添った。
腰に腕を回してきた彼は、しばらく空を見上げていた。
彼は今何を考えているんだろう。
私たちには身体の繋がりしかない。互いの穴や寂しさを埋めあうだけの関係になってきていた。
互いを大事にはしている。しかし、身体の関係を持ってからはプライベートなことはほとんど話してはいない。そういう事をしている時やした後特有の甘い言葉も囁きあったりしなかった。自分の感情を吐露することも減り、時間があまり取れない分、会えばセックスばかりをするようになった。
そんな私たちはこれからどこに向かうのだろうか。
いつもならこんなことを考える余裕もなく、キスを交わし、交わっていたから、これからのことを考えて不安になってしまった。
「お願い、キス、して……」