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性交旅行
第2章 第二話
「今回お話ししたいといった件についてなのですが、今度妻と温泉旅行に行かれるんですよね?」
「関係がばれてしまったわけですし、中止します」
 俺はとがめられているのだと思って慌ててそういった。
「中止にはしないでください。今回の温泉旅行でお願いしたいことがありまして、それに協力して頂ければ、慰謝料など請求する気はありませんので」
 温泉旅行の最中に浮気をされた報復でもする気なのかと思った。
 自分たちが悪いのだとは分かっているが、自分の為に旦那さんに協力して逃れようとするのは、ゆりさんに対する裏切りのように思えた。
「大丈夫ですよ。変なお願いではありますが、特に妻に対して酷いことをしようというわけではありませんから」
 俺が相当怪訝な顔でもしていたのか、旦那さんが柔らかな笑みを浮かべながらそういった。
「お願いといいますのはですね、旅館の予約を三名に変更して欲しいのですよ」
 旦那さんから発せられたその言葉が理解できなかった。
「私もご一緒させて頂きたいのです」
 さらに頭の中がクエスチョンマークで埋まる。
 そこから、旦那さんが話し出したことを理解するのに時間はかかったもの、まとめるとこういうことだった。
 旦那さんは、早い段階でゆりさんの異変を見抜き、浮気していることに気づいていた。
 自分が性行為をできない負い目とゆりさんが好きなことから目をつむり、俺たちのやり取りを覗くことだけしていたらしい。
 過激になっていくやり取りに、勃起不全気味だった陰茎が大きく硬くなり、またゆりさんと性行為ができるかもしれないと希望を取り戻したそうだ。
 しかし、いざ行為におよぼうとするとなかなか立たない。
 試行錯誤を繰り返した結果、ゆりさんが他の男に犯されていることが、今の自分の興奮ポイントだと気づいたそうだ。
 なので、どうせなら俺たちがヤっているところに交わりたいということだった。
 ゆりさんと行為をしたいし、そろそろスマホをこそこそと見るだけでは物足りなくなってきたということだった。
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