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欲しいのは愛だけ
第6章 電撃入籍
プロポーズを受けて貰った記念だからと、
夕食はロブションを予約してくれていた。

幸せな気持ちで上質なお料理とワインをいただいて、
最後とデザートはとても可愛らしいプレートを用意してくれていた。

いつの間に手配してくれてたのかしらと思うほど、
鮮やかな夕食で、
秘書としては一本取られてしまった気持ちになった。

帰りにこの前のバーに立ち寄って、
ママさんに「婚約したんだ」と紹介してくれる。

「まあ、やっぱり!
そんな気がしたわ」と言われて、
航平さんはママさんやお店の常連さんにもビールを振る舞って乾杯した。

私は少し酔っていたので、
ジンジャーエールにして貰った。


そのまま、2人で私の家に帰ると、

「一緒に風呂に入ろうよ」と子供みたいな顔で言う。


「えっ?
恥ずかしいです」

「良いじゃん。
風呂って一番無防備だからさ、
そういう処を晒しあえるような関係になりたい。
襲ったりしないようにするからさ?
のんびりお湯に浸かってリラックスしたい」

「んー。
じゃあ、ひとまずお風呂、沸かしてきますね?」と言って、
キャンドルとかを用意してみた。

うん。
これなら暗いから大丈夫かな?

それとプレゼントされたクロエのボトルを洗面台に置いてみた。


その時、キッチンから航平さんの声がした。

「ねえ、メイ。
これ、どうしたの?」

「ああ。
えっと、お家にアルコールがないから、
航平さんが飲んでたウィスキー、
用意してみたんです。
ロックグラスもなかったから、一緒に…」

航平さんは、抱き締めてキスをする。


「俺、メイが居るなら、
そんなに飲まないよ?
メイに酔えば良いし。
でも、ありがとう。
メイ、本当に優しいな」


手を引いてソファに私を座らせると、
抱き締めて背中を撫でる。


「仕事も家のことも、
辛くてさ。
酔う為にだけ酒、呑んでた。
家では呑まなかったよ?
アル中になりそうだから。
でも、メイと一緒なら、
のんびり家でジャズとか聴きながら、
味わって飲むのも良いかもな?
でも、酒より、
メイを味わいたいけどね?」

そう言うと、額や頬、
そして唇にキスをする。


ちょうど機械の音声が、
「お風呂が沸きました」と告げたので、
2人で浴室に向かった。
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