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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第1章 ~始まりの森~

「やっぱり旨いなサクは」
ルカは唇を離し熱ぽくなった蒼い瞳を細め甘くささやく。誰もが羨むその瞳にサクナも例外なく魅入ってしまう。
旨いと言う表現が妙にしっくりするからサクナも返す言葉を失う。
口腔内に残る甘い香りとルカの感触、下腹部のあたりがやけに熱く身体は力が抜け、ルカに支えられて立っているのがやっとだった。
女性に興味ない陛下。
そのルカがサクナを求めるのは、旨そうな香りがするから。
ふたりは甘い香りに惹かれあうように互いを求める。
「このまま、食べてしまいたい」
「…………ルカ様、駄目ですよこんなところで」
放つ言葉は弱々しい、ルカと口づけを交わすと気が高鳴りその心地よさに強く否定できなくなる。
「なら、部屋に来る?」
「…………そういう問題じゃ」
「なら、妃になれよサク」
「それだけの為に、そこまで強く望めない」

