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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第1章 ~始まりの森~

優しく触れたルカの形良い唇はひんやりとしていた。しだいにそれは互いの体温で熱を帯びてくる。
ルカはサクナの唇を何度も啄み、彼の甘い香りが鼻孔をくすぐった。
「んっ……」
下唇を甘く噛まれサクナの甘い吐息が洩れる。
そのまま深く口づけられ舌先が口腔内に忍び込む。艶かしく蠢く先端が、サクナの熱くなった舌の上を擽る。
ヌルリと擦りつけられる感覚にサクナはいまだなれない。擦れ合う部分からジンっとした疼きが走ってゆく。
陛下であるルカと初めて口づけをしたのは出会ったその日だった。
それまで男性とそんな事をしたこともないサクナにとって衝撃的な出来事だった────

