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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第3章  ~偽りの気持ち~

「サク、こっちおいで」

 ルカは一人がけのソファーに座っている、大きめでゆったりしたソファーであるが二人で座るにはやや窮屈。

「…………うん」

 あえてそれでも呼んだのかも知れない。
 サクナは立ち上がりルカの側に行く、ルカは手を引っ張りサクナを向かい合わせに膝の上に乗せた。

「本当は、もっと脚の見えるドレスにしたかったんだけどな、サク脚綺麗だから」

「…………そ、そう?」

「でも、他の奴に見せるのもやだしな、こうして隠されてしまうのもなかなかいいな」

 普段のサクナの祈り姫の衣装は、短いスカートをはいている。ヴァミンと戦うこともある祈り姫は動きやすさ重視の服装だった。

「そんな心配しなくても誰も見ないよ」

「そ? 俺は見ちゃうけどな」

「…………見ちゃうんだ、やっぱり肩とか出してたら見るの?」

「ま、見ちゃうな、興味うんぬんというか本能だな。サクだっていい男がいたら見ちゃうだろ?」

 サクナは否定出来なかった。

 目の前にいる、秀麗なルカ。好きになったのは端正な顔だからではないが……ないが、ルカは見蕩れてしまうほどいい男だった。

 
「だから隠さないとな。サクを見ていいのは俺だけだから」

「隠したら見れないよ?」

「…………それは、脱がしていいってこと?」

「ち、違う。もう、こんな明るいうちから何言ってるの」

 ルカはクスッと目を細める。

「『愛し合う』のに時間は関係ないよ」

 ドクっと胸が鳴る。
 マリーの言葉をやはり何処か気にしてる。


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