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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第3章 ~偽りの気持ち~
「サク?」
サクナは自分から求めるようにキスをしたことが無かった。いつもルカに身を委ね、それを与えてもらっていた。
────淫らな子だと思われただろうか。
サクナは王家入りをするにあたって、淑女としての振舞いを心掛ける様にと本日の講義で学んだばかりだった。
女性が男性を求めるのは、不謹慎な事。
淑女なら、男性に身を任せることが望ましい。
変なことは訊いてしまうし、自分から求めるようなキスをするなんて…………咎められてる気がした。
「サク…………不安?」
「ううん、ごめんなさいルカ」
ルカは眉根を寄せ眼を閉じた。
そして…………何かを決心したかのように、ルカは真剣で力強い眼を見せた。
「謝らなければならないのは俺なんだ……」
「ルカ?」
「…………俺のこと信じてくれる?」
サクナはそれを意味することがわからなかった。
「わからない。ルカ…………ちゃんと言ってくれなきゃわからないよ」
「…………そうだよな、でも…………今、言って余計不安にならない? 何が真実なのか、疑わない?」