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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第1章 ~始まりの森~
「そういえばサクは満足するのか? 今のグッときた?」
サクナは再び間の抜けた表情を見せる。
「……お前の惚けた顔、堪んないな……」
ルカは茶化すように、クスリと笑い軽くチュッとキスをしてくる。
「か、からかってるの?」
「まさか、さすがにお前が『本気で』嫌なら諦めるけどさ嫌じゃないんだろ?」
「…………陛下を嫌う女性なんているわけ無い」
ルカはクシャクシャとサクナの頭を撫で、小さな肩を抱きしめた。
「お前は馬鹿がつくほどお人好しだからな嘘つくのも俺の為なんだろ……でもな、サク、俺はお前を護りたいんだ」
優しくて包容力ある陛下は皆に慕われている。
そんなルカにサクナは迷惑をかけたくなかった。