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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第1章 ~始まりの森~
貴族の娘たちに虐められていてもサクナが言わないのはルカを思ってのこと。
そして、娘たちが怒る理由もわかるから。
だから、ルカもサクナもそして兄のケイルも貴族の娘たちを咎めることは無い。
だが、なかなか首を縦に降らないサクナに、令嬢たちは日に増してその行為は酷くなってきた。
サクナは令嬢にとって生意気な田舎娘でしかなくなってしまった。
「サク、この現状を知っても俺はお前を諦めるつもりはない。例え……お前が困るってわかっても」
陛下の妃になれば王家と同じ地位になる、手出しをすればそれ相当の罪に囚われる。
今回のような事が明るみになれば、その者は爵位を脱略され、一族全てに罪が重くのしかかる。
ルカと婚約者となれば、少なくとも命の危険に晒される事はない。