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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第1章 ~始まりの森~
「お前じゃなきゃダメなんだ」
「ルカ様……」
王妃になるということは、その貴族の令嬢たちと深く関わるようになる。
サクナはその決意が出来ない、陛下であるルカに特別な感情を抱いていても。
「サク……俺のものになれよ」
「ルカ様は女性に興味なかったんじゃないの……?」
「ないよ……それは、お前も同じだろ?」
サクナは、ん? と首を傾げた。
「お前も男に興味ないだろ?」
────興味がないというのか。ないわけじゃない、でも、それはルカ様も同じ?
「わからないよ、ただ、ルカ様と違って言い寄るひとが居ないからかもよ?」
「…………恋もしたことないくせに、生意気なこと言うな、俺だけが好きって言えばいいのに」
「…………どっちが生意気なのよ」