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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第3章  ~偽りの気持ち~
 

 サクナの意識が戻ったとき、甘い香りが鼻孔をくすぐった。温もりと重み包まれてる安心感。

 サクナはゆっくりと目を開ける。

「起きた?」

「うん、傍にいてくれた」

「約束したからな」

 サクナはルカの肩に顔を埋めきゅうと抱きしめた。と、その時、ルカの肌にボコボコとした傷跡があるのを感じた。

「あ……もしかして、私が?」

「それだけ気持ちよかったんだろ」

「ごめん…………治してあげる」

 サクナは血の気が引く。
 陛下を傷つけてしまうなんて、いや、それ以前に大切な人を傷つけたことに青ざめてしまう。


「だめ、サクにつけられた印だから治したら怒るよ?」

「…………お、怒るの?」

「怒る、舐めてくれるだけならいいけど」

「…………いいけど、治癒しちゃうかも」

「じゃあだめ」

 サクナは少しウズウズとする。ルカの肌は綺麗で美しい。傷を残したことにいたたまれなくなる。


「気にしなくていいって、俺も印つけてるから」

「…………ん?」

「ここ、とか、ここ」

 ルカはサクナの躯を少し離して指で赤い華を辿る。

「…………あ、いつの間に、ルカがつけたの?」

「そう…………っ」

 ルカはサクナの谷間に顔を埋めそこを強く吸う。舌で舐めもう一度吸うと唇を離した。サクナがそこを見ると赤い痣ができていた。

「あ……」

「な? 治しちゃうここ?」

 サクナはフルフルと首を振る。
 ルカの印…………それは、独占されてるようでサクナの心を高まらせた。

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