この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第3章 ~偽りの気持ち~
サクナの意識が戻ったとき、甘い香りが鼻孔をくすぐった。温もりと重み包まれてる安心感。
サクナはゆっくりと目を開ける。
「起きた?」
「うん、傍にいてくれた」
「約束したからな」
サクナはルカの肩に顔を埋めきゅうと抱きしめた。と、その時、ルカの肌にボコボコとした傷跡があるのを感じた。
「あ……もしかして、私が?」
「それだけ気持ちよかったんだろ」
「ごめん…………治してあげる」
サクナは血の気が引く。
陛下を傷つけてしまうなんて、いや、それ以前に大切な人を傷つけたことに青ざめてしまう。
「だめ、サクにつけられた印だから治したら怒るよ?」
「…………お、怒るの?」
「怒る、舐めてくれるだけならいいけど」
「…………いいけど、治癒しちゃうかも」
「じゃあだめ」
サクナは少しウズウズとする。ルカの肌は綺麗で美しい。傷を残したことにいたたまれなくなる。
「気にしなくていいって、俺も印つけてるから」
「…………ん?」
「ここ、とか、ここ」
ルカはサクナの躯を少し離して指で赤い華を辿る。
「…………あ、いつの間に、ルカがつけたの?」
「そう…………っ」
ルカはサクナの谷間に顔を埋めそこを強く吸う。舌で舐めもう一度吸うと唇を離した。サクナがそこを見ると赤い痣ができていた。
「あ……」
「な? 治しちゃうここ?」
サクナはフルフルと首を振る。
ルカの印…………それは、独占されてるようでサクナの心を高まらせた。