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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第3章  ~偽りの気持ち~


「いつかは消えちゃうけどな」

「…………消えちゃうのか」

「消える前にまたつければいい」

 サクナは顔を赤く染めルカの肩にしがみつく。
 祈り姫である彼女の躯は傷の修復が早く痣は朝には消えてるかも知れない。

 消える前にまた抱かれるのかと思うと嬉しいやら恥ずかしいやら。

 サクナは好奇心からルカの肩にちゅっと吸い付いてみる。しかし、それらしきものは出来ない。


「ルカ出来ないよ?」

「サクの躯は癒しだからな、治癒しちゃうんじゃない?」

「…………そっか、残念」

「爪立ててみる?」

「いやっ、それは、だめ…………もう、絶対しない」

 癒し姫であるサクナは人を殺めることを禁じられている。例え不可抗力であっても人を傷つけてしまう事に罪悪感を人以上に感じる。

「そっか、残念」

 そういうルカにサクナは少しドキリとする。独占してもいいって言われてるようで、でもやっぱり気になる。

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