この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第3章 ~偽りの気持ち~
ルカは頬に手をあて親指でサクナの唇をぷにっと押し、形を撫でるように指を動かす。
「そうだな、初めて出会った時に触れたからな…………こうして傍にいてくれて、お前に触れる事を望んでいたんだ」
唇を触れられるのは妙な感じだった。ただ、確実なのは口づけをしたくなる。
「ルカは女性に興味がない硬派なイメージだったからすごく驚いた。初めてだったし」
「俺も。初めてだったし」
サクナはパチパチと瞬きをする。
「初めて…………だったの?」
「そうだよ、そんなに驚くこと」
「…………あ、いや。私の中ではそういう事に興味がなくてもしちゃうんだって…………何気になれてるし」
「慣れてなんかないよ。いつでもお前とキスするのはドキドキする」
意外……ルカは平然としてるし、いわゆる口づけになれてる感じだったから。