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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第3章  ~偽りの気持ち~


 ルカは頬に手をあて親指でサクナの唇をぷにっと押し、形を撫でるように指を動かす。

「そうだな、初めて出会った時に触れたからな…………こうして傍にいてくれて、お前に触れる事を望んでいたんだ」

 唇を触れられるのは妙な感じだった。ただ、確実なのは口づけをしたくなる。

「ルカは女性に興味がない硬派なイメージだったからすごく驚いた。初めてだったし」

「俺も。初めてだったし」

 サクナはパチパチと瞬きをする。

「初めて…………だったの?」

「そうだよ、そんなに驚くこと」

「…………あ、いや。私の中ではそういう事に興味がなくてもしちゃうんだって…………何気になれてるし」

「慣れてなんかないよ。いつでもお前とキスするのはドキドキする」

 意外……ルカは平然としてるし、いわゆる口づけになれてる感じだったから。

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