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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第4章 ~遠征~
「うん、気を付ける」
ルカはサクナの左手をとり薬指にキスを落とす。
「ケイルが居るからだいじょうぶだと思うけど、女は怒ると恐いからな」
ルカは苦笑しつつサクナを抱きしめる。
サクナはルカの婚約者となっても貴族たちの嫌味はおさまる事はなく相変わらずだった。
サクナはルカと婚約して初めて傍を離れることになる。ルカにとってコスモ国よりも自国の女性のほうが恐ろしいらしい。
「だいじょうぶ、何言われても気にしない」
「すぐ気にするくせに…………あぁ、傍にいてやれたら話しも訊いてやれるのにな」
「私のことはいいから、ルカは自分と国の心配したほうがいいんじゃない?」
ルカはコスモ国を攻めるつもりはなく形状維持を務めている。守りを徹底しているからだいじょうぶだというがやはり不安になる。