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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第4章  ~遠征~


「兵器を持っても、攻め込めばコスモ国も無事ではすまない。だからこそ和平が成立するどんなに兵器を開発しても術者には敵わないよ」

 その兵器は対ヴァミンの物であるとコスモ国は主張している。戦う力を持たないコスモ国にとってヴァミンに対抗する兵器は必要不可欠。

 今までもそういう報告がなかったわけでもない、叔父には些細な事でも報告するように言っているからだとルカは言う。


「叔父には暫くあってなかったから報告がてらに挨拶に行くだけだ。そんな深刻な問題じゃない。むしろ、暫く会えなくなる方が深刻な問題だ」

「…………深刻なんだ」

「あぁ、この体温を知っちゃったからな、はぁ、寂しい」

 安心させるためか、それとも本当に気にする必要がないのか、ルカはいつもより甘えてくる。単純に会えなくなるのが寂しいように。


「サク…………しよっか?」

「…………い、今から」

「ダメ?」

「ダメというか、そんな気分じゃないと言うか」

「…………何だよ、サクは寂しくないの? 抱いてやれないんだぞ?」

 怒られてしまった。
 昨夜も、そんなことを言いながらたんまりと愛し合っただけに、サクナは躯がだるかった。

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