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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第4章 ~遠征~

「…………そんなに元気だと浮気のほうが心配」
「サク以外抱くわけないだろ、心外だなソレ」
確かに不躾だとは思うが、そう思わせるほどルカは貪欲だった。女性に興味がないとは訊いているが些か不安にもなる。
男性とはそういうもので、陛下ともなればそういうお誘いもある。ルカの叔父が陛下を招待すればそのような女性を呼ぶこともありえる。
もちろん、それを悪いことだとは言えない。
陛下とはそういう人なのだから、ルカが女性に興味を持たないだけで日常ではよくあること。
知りたくもなかったが貴族の娘たちがご丁寧に教えてくれた。
「サクはすぐ惑わされるからな、ああ、本当に心配、お前帰ってきたら俺のこと嫌いになってるなよ?」
「…………だいじょうぶ、もう惑わされないから」
ルカを信用してないわけじゃない。ただ、知らないことばかりでつい鵜呑みにしてしまう。

