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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第5章  ~初めての恋は甘くて切ない味~

「なら、行こっか」

 陛下の無事を祈願する為、いつもの祈りの儀式とともに、旅の無事を祈願する儀式を行う。

「陛下、ご無事で」

 ミモリはルカに近寄り挨拶のキスをする。
 ルカの背に見えるミモリはやはり不敵な笑みを見せた。

「行くぞサクナ、ぼーっとするな」
「あ、うん」

 挑発するようにミモリがクスリと笑う。

 ────補佐官は、ルカが好きなのだろうか。

 そんな事が頭をよぎった。だから、サクナに冷たく当たるのだと。補佐官としサクナを認めてないだけかと思っていたが、どうやらそれ以上の感情を感じた。

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