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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第5章  ~初めての恋は甘くて切ない味~

 祭壇につき、サクナは日々の日課である祈りの儀式をする。その後に、旅の安全を祈願する。

 サクナは部隊の視線が注ぐなか、祭壇を降りルカに一礼をする。


「陛下、ご無事で」

 サクナはルカの肩に手を添え踵をあげるとルカは腰に手を回し躯を密着させた。サクナは少し動揺しつつも、ルカの頬に自身の頬をつける。


「サクも無事で」
「…………っ」

 ルカは綿毛のように軽く口づけをした。

 そしてニコッと微笑む。

 サクナは頬を染めてしまう。小部隊とは言え人前で口づけをした事に恥じらいを感じる。

 疚しい関係でもなく、陛下の婚約者であることは皆知っているわけなのだが。

 ふたりきりだと大胆になるサクナだが、今まで恋愛を経験したことのないサクナには羞恥がまさる。

 
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