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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第5章 ~初めての恋は甘くて切ない味~
「行ってきますサク」
「…………いってらっしゃい、どうか無事で」
ルカはニッとチカラ強く笑んで馬を走らせた。
サクナとケイルは姿が見えなくなるまでずっと見送っていた。両手を握りしめ、皆の無事を祈りながら。
「戦争にならないよね?」
「だいじょうぶ、あれで政はちゃんとやる男だ、侍臣もいるしな」
「…………うん」
サクナは姿が見えなくなった後もずっとその先を見つめていた。ケイルは何も言わず側にいてくれた。