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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第5章 ~初めての恋は甘くて切ない味~
まだ発展途上国で小さな国だったコスモ国は、その領土を得る為リキマシア国の自然豊かな大地を狙い侵攻していた。
和平を望むリキマシア国は何度も話し合いを望んだ。しかし、コスモ国は首をなかなか縦に振らなかった。
それはある条件をリキマシア国が応じなかったからだ。
その条件は、一部の領土の受け渡しだった。
コスモ国は星のエネルギーを吸い取り、それを糧に生活をしていた。
領土を明け渡せないのはその星のエネルギーを護るため、無理やり吸い取られたエネルギーは星に帰ることはない。
行く末は大地の枯れ、星の消滅にも繋がる。
両者とも譲らぬ姿勢を見せていたが、コスモ国はついにとある村を襲った。
当時、近侍を務めていたサクナの父セシュルドの家族のいる村、祈り姫の一族の住まう村を襲った。
近侍としてセシュルドの力はコスモ国にとって邪魔な存在だった。村を襲いセシュルドをおびき寄せ陛下の隙を狙う作戦だった。
陛下は罠だとわかった上でセシュルドに村の救助を勅命した。
陛下の側には、腕利きの騎士団もいる、罠とわかっていれば警戒もできると村の救助を優先させたのだ。