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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第5章 ~初めての恋は甘くて切ない味~
和平を結び、戦争は終わった。
だが、平和は人を愚かにもする、力を持つセシュルドを疎むのはリキマシア国の騎士団たちとなる、今頃になって前陛下の責務を追求し始めた。
だが、セシュルドはそのつもりだった。
亡き陛下の願いを叶えた後、辞任する。しかしそれをルカもまた許してはくれなかった。セシュルドの気持ちをわかった上で息子であるケイルを近侍として要求し、セシュルドを王宮外の警護に任命する。
良くも悪くも代々陛下に必要とされるシーボルディー家は、他の者達にとって疎まれる存在となる。
爵位も持たぬ村人であるシーボルディー家を。他の者たちは知らないからである。王族と同じ古き術者の家系であるシーボルディー家が何故村人なのかを。
王族は国をおさめ、シーボルディー家は星の為に存在することを。それを知るのは一部の王族のものたちだけである。
だから、祈り姫は国の守神と呼ばれているのに。
人は力あるものを疎み嫉妬する。
平和になっても人々から邪心は消えることは無い、だからヴァミンは存在し続ける。