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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第1章 ~始まりの森~
そういう事か…………サクナは妙に納得する。
陛下として世継ぎを望まれるのは当然のこと。それは、王宮だけではなく国中の願いでもある。
「私じゃルカ様の期待にしか応えられない」
「なあサク、国全体で言えばお前と俺が結ばれるのは喜ばしいことなんだぞ? 祈り姫は国の宝だからな」
サクナは王宮では疎まれている存在ではあるが由緒正しき祈り姫の血筋。
陛下はその血筋である祈り姫として、サクナを妃に迎えようとしている。
しかし、古くからシーボルディ家は、陛下に優遇され王族や貴族はそれが面白くない。
それだけが理由でもないのだが。