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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第5章 ~初めての恋は甘くて切ない味~
「サクナ怒るな、ルカならだいじょうぶだから」
「…………わかってる、でもあんな言い方やっぱり許せない。だから嫌だったのに」
自分たちを侮辱されるだけならまだ堪えれた。
でも、自分を侮辱する為にそれを言うミモリが許せなかった。
近侍が陛下ではなくサクナの護衛についた事を叱咤されても仕方ない、だけど嫌味で使うのは間違っている。
「お前は何もわかっていないって、だから言われるんだ。近侍は陛下を護るのが役目だけど、俺はサクナを護るのが役目だからな、嫌がっても仕方ないだろ?」
「…………へぇ!? 私を護るのが役目?」
「ルカもわかった上で俺を近侍にした、言うなら優先順位の問題だ」
────確かに兄様は昔から私を護ってくれてるけど、でも、この八年間はずっとルカを護っていたわけで…………
「あ、祈り姫?」
「ああ、父さんも、俺も陛下より祈り姫を護ることが役目、陛下も祈り姫を護ることが役目だしな」
「陛下も!?」
驚いてしまうのは、ケイルはルカを指した言葉ではなく『陛下』を指していた。
「驚くことか? 陛下は国を治め、祈り姫を護る為に存在している、ルカが俺にサクナの護衛を頼んだのは当然のことだ」