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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第5章  ~初めての恋は甘くて切ない味~

「わたし個人の感想です」

 どうしてそう思ったのかはわからないがユイナはそれ以上の事は言わなかった。
 ケイルもユイナも気になる事を言いうだけで、その意味を教えてくれない。サクナはモヤモヤとしてしまう。

 しかし、ユイナに限ってはどうしてそう思うのかとは訊きづらい。言わない事を尋ねて良いのかわからないが個人の感想というユイナの眼にはそう映ったということだけはわかった。

「姫様、それでは御用がありましたらお呼びください」

 と、一礼をし、ユイナは部屋を出てゆく。
 いつもは、侍女として一緒に居るのだが今日から陛下が戻るまではケイルがいるのでユイナは着替えを手伝ってくれるだけだった。

 サクナは貴族とは違い着替え以外は自分で出来る為、ユイナとは常にともにいるわけではなかった。だからその距離を測りかねる。

 サクナも部屋をでて、再びケイルと合流し執事長室へ向かう。
 
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