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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第5章  ~初めての恋は甘くて切ない味~

「お帰りなさいませ」

 出迎えてくれたのは白銀の髪をした男性だった。

「初めましてサクナ様、この屋敷の執事を務めさせていただいています、アラウドです」

 柔らかな表情で優しい感じの人だった。

 年の頃はサクナたちよりも年上に見えるが、ケイルは実年齢より老けて見えるためアラウドの年齢は謎である。

 サクナも礼をし挨拶をする。


「サクナ、ユイナもここに呼んでいるルカが帰ってくるまでここで一緒に暮らさないか」

「ここで?」

「ああ、森からも近いしここの方が便利だからな」

 サクナはコクっと頷いた。
 ユイナも呼んであるという事は断るとは思っていないのだろう。その理由もないのだが。

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